ガラスコーティングについて

◇カーコーティングの種類

現在市販されているコーティング剤の種類は、一般に大きくは油脂系コーティング(いわゆるワックス、一部ポリマー)、樹脂系コーティング(ポリマー、フッ素、ガラス系)、ガラスコーティングと分類されます。

これらの違いは、一言で表すと「耐久性(持続時間)」の違いです。
まず、根本的に異なる点としてガラスコーティング以外の油脂・樹脂系コーティング剤は、基本的に自己研磨的に流れ出しながら汚れを落とす効果があります。
油脂・樹脂系コーティング剤の耐久性は1~6ヶ月程度というのが一般的ですが、基本的には時間を掛けて流れ落ちて行くものと考えられています。それは、汚れを一緒に流れ落とす作用があるため、洗車等のメンテナンスをしなくても、低予算で一定期間は美観を維持できるというメリットがあります。しかし、デメリットとして一部の油分を多く含むコーティング剤はメンテナンスせずに放置するとそれ自体が劣化して油膜化し、酷い場合は紫外線劣化で塗装を侵食することもあります。

◇ガラス系コーティング剤とガラスコーティング剤
ガラス系コーティング剤とは、一般的にポリマーベースのものが殆どで、極端に言えば、その中に1滴でもガラス成分が入っていればガラス系と呼ぶことができます。実はこの「ガラス系」は非常に種類が多く選択が困難な上、実質的に良し悪しを正確に見抜くことが非常に難しいと言われています。
また、ガラスコーティングと比較して安価ではありますが、品質は優れたものと劣ったものが混在していることが現実です。油脂・樹脂系コーティング剤と同様に適切なメンテナンスがされていなければ、中には汚れごと固着した状態で劣化し、塗装を侵食するというケースもあるので注意が必要です。
ガラスコーティング剤は、シラン系(シロキサン等)やシラザン系(無機ポリシラザン等)の種類があります。
それぞれに特徴がありますが、シラン系がツヤ感や深い発色に長けているのに対し、シラザン系は被膜の硬さに強みがあります。どちらも基本的には無機質であるため揮発・劣化等は起こさず、また外的環境要因に対しても耐久性を発揮し、長期間に渡り効果を持続するものであることから、コーティング剤という括りでは比較的高価な位置付けとなっております。
コーティング剤における無機と有機の違いは、主成分に無機物(ガラス、セラミックなど)を使うか有機物(石油由来の樹脂、ポリマーなど)を使うかで、それぞれの耐熱性、耐久性、光沢、汚れやすさ、価格などに大きな違いがあります。無機系は耐久性・耐熱性に優れ、有機系は柔軟性があり安価で施工しやすい傾向にあります。

ナノグラスコートジャパンでは、長年の研究の結果、発色、撥水(撥油)性能を引き出し、且つ鉄の熱膨張に対する追従性を持たせ、クラック(ヒビ割れ)等のデメリットを解消するためにあらゆる機能と実用性(撥水性/親水性も含めた)を追求し、シロキサンをベースとした現在のガラスコーティング剤を開発しております。

◇ガラスコーティングは万能なのか?
ここまでの話では、「ガラスコーティングは非の打ち所の無いもの」の様にも思えますが、実は短所もあります。
①被膜や効果が本当に維持されているのか、肉眼で判断がつかない
ナノグラスコートジャパンでは、お客様に状態が維持されているのかを確認していただくために弊社の社有車に片側半分だけをコーティングした車両を展示しております。ご来店の際、是非お客様ご自身の目で見て、その効果を判断してください。
②イオンデポジット(雨や水道水に含まれるミネラル成分が乾燥して車の塗装面に固着した「白いウロコ状の汚れ」、水垢の一種)について
ガラス窓に水の跡が残るのと同様にガラスコーティング後のボディーにも水の跡が残ることがあります。
これは専用の除去剤(酸性)で簡単に落とすことが可能です。耐溶剤・耐薬品性に優れているガラスコーティングならではの強みと言えます。
ナノグラスコートジャパンでは、表面の撥水力を維持し、汚れや水の跡等を付着しにくくするガラスコーティング車専用の保護剤(ジュエルコート)を別途ご用意しております。

◇実際にコーティングをしないとどの様な症状がおきるのか?

<代表的な外的要因(下の写真参照)>
水(酸性雨)
雨水等が塗装面に残留し、蒸発することでその中の酸性成分が濃縮され塗装の結合を解き、塗膜が融解して、塗膜が凹んでシミとなります。
またイオンデポジットが蓄積されてウォータースポット(車体に残った水滴がレンズの働きをして日光の熱を集め、塗装面を高温で焼き付けてしまうことによってできる陥没した状態や陥没したりする現象)へと進行してしまいます。
花粉
塗装面に付着した花粉は水を含むと殻が破けてペクチンという酸性の多糖物質が出てきます。
このペクチンが乾燥して収縮し、塗装を一緒に変形させてしまいます。
鳥糞
鳥の糞は塗装面に付着すると、塗膜を膨潤させ割れや剥がれが発生します。
この現象は、糞に含まれる有機酸が塗膜を膨潤させるのと同時に塗装の結合を切断する為、発生します。
これらの劣化要因からも影響を受けず塗装面を守り、取り返しがつかない症状に発展させることなく、安心して次の洗車まで待っていられるという点も、被膜の強いガラスコーティングの魅力です。
(経年車で、既に症状が発生している車両の塗装面でも、コーティング前の下地処理作業で原状回復作業をしてからコーティングを施工することで本来の輝きを取り戻すことができます。)

ウォータースポット 花粉による現象 鳥糞による現象

最後に、上記内容は、弊社のカーコーティングに対する見解、及びガラスコーティングを推奨する概念的理由を記述したもので、他社様の製品やサービスの一切を批判するものではありません。どの製品にも機能、特性、コスト等、一長一短があり、あくまでお客様のお好みに応じたカーコーティングの製品をご選択いただき、ご満足を得られることが重要であると考えております。